日本初コワーキングの開拓者 伊藤富雄の世界

名前
伊藤 富雄
会社名
コワーキング協同組合 代表理事
キャッチコピー
つながりが生む新しい価値
一言
場所貸しではなく、人と人をつなぐコミュニティ。
教え合い、学び合う関係から生まれる新しい価値。
それがコワーキングの本質です。

日本のコワーキングシーンを創り上げた先駆者、伊藤富雄の世界

「場所」ではなく「コミュニティ」を育む、コワーキングの真髄

コワーキング協同組合 代表理事の伊藤富雄です。
2010年5月15日、日本で最初のコワーキングスペース「カフーツ~コワーキング@神戸」を開設しました。
単なる「場所貸し」ではない、人と人がつながり、共に学び、教え合い、
新しい価値を生み出すコミュニティとしてのコワーキングを14年にわたって実践してきました。

多彩な活動でコワーキングの価値を広げる

現在、私の活動は大きく分けて以下の4つになります。

  1. コワーキングスペース「カフーツ」の運営
    日本初のコワーキングスペースを神戸で運営し、コミュニティの育成を続けています。
  2. コワーキングスペースの開業・運営サポート
    全国各地の方々のコワーキングスペース立ち上げや運営をサポート。単なるコンサルではなく、コワーキングの本質を伝え、地域に根ざしたスペースづくりをお手伝いしています。
  3. コワーキングマネージャー養成講座の主宰
    コワーキングの5大価値とコワーキング曼荼羅の概念を軸に、コミュニティとしてのコワーキングを健全に運営できる人材を育成しています。
  4. 経済産業省認可法人「コワーキング協同組合」代表理事
    コワーキングを通じたビジネス創出や協働の仕組みづくりを推進しています。

コワーキングの5大価値—ただの作業場ではない理由

私がコワーキングで提唱する5つの価値は、コワーキングがただの作業場ではない理由そのものです:

  • Accessibility(つながり):必要な時に必要な人とつながれる環境。どこでも自由に働ける柔軟性。
  • Openness(シェア):知識、スキル、情報、時には道具も共有する文化。
  • Collaboration(コラボ):自然と生まれる協働の機会。小さなコラボが大きな価値を生む。
  • Community(コミュニティ):互いに支え合い、学び合う関係性。
  • Sustainability(継続性):経済的にも、社会的にも持続可能な活動基盤。

これらの価値は2006年にアメリカで生まれたコワーキングの原点であり、
私はこの理念を日本に広げる活動を続けています。

コワーキング曼荼羅—8つのテーマで人と地域をつなぐ

コワーキングは単なる仕事場ではなく、人と人をつなぐプラットフォームです。
「コワーキング曼荼羅」として、以下の8つのテーマを通じて多様な活動が交差する場を提唱しています:

  • :仕事、起業・創業
  • :学び(共学)
  • :ものづくり、アート、表現
  • :シェアリングエコノミー
  • :育児、教育
  • :健康(ウェルビーイング)
  • :リモートワーク、宿泊・滞在
  • :飲食、地産地消

これらのテーマが交差することで、新たな価値が生まれ、地域の活性化につながります。
例えば、育児中の親が仕事をしながら学びの場に参加したり、旅する人が地元の食を通じて地域の人とつながったりする
そんな多様な交流が、コワーキングから生まれていくのです。

ローカルコワーキングで地域に新しい風を

特に力を入れているのが「ローカルコワーキング」の普及です。
地方都市や地域においてコワーキングは、IT業界だけのものではなく、
農家の方や漁師さんなど多様な人々が集い、地域の課題解決や新たな価値創造の場となります。
言わば「現代版公民館」として機能し、地域活性化の拠点となるのです。

コワーキングの民主化を目指して

最近取り組んでいるのが「間借りコワーキング」。
コワーキングを事業としてではなく、草野球のように誰でもカジュアルに始められる活動として広げていく
「コワーキングの民主化」を推進しています。
場所や形式にこだわらず、人と人がつながり、教え合い、学び合う場をもっと気軽に、もっと身近に。
それが私の目指すコワーキングの姿です。

「ネットの勉強会から日本初のコワーキングへ」伊藤富雄の創業ストーリー

神様からの3回の「やれ」のサイン

2009年、私が主催していたネットマーケティング研究会は毎月1〜2回、開催していました。
当時はミクシィからTwitterやFacebookが入ってきた頃で、
ネットのマーケティングをテーマに勉強会を続けていたんです。

勉強会の進め方を、ある時から大きく変えました。
それまでは「私が一方的に教える」スタイルだったのを、「参加者全員がそれぞれ話す」形式に。
これが意外な発見につながったんです。

「皆さん、私の話を聞きに来ているわけじゃなくて、自分の話をしたくて来ている」

課題を抱えていたり、誰かに教えたいことがあったり。
参加者が全員ディスカッションする方式に変えたら、参加者がどんどん増えていったんです。

そんなある日、ある参加者からこう言われたんです。
「月1回の勉強会じゃなくて、いつでも行ったらみんながいて、教えたり教えられたりできる場所を作ったら良いんじゃないか」

その時は「そういうのがあったらいいね」とスルーしていました。
でも次の週にまた別の人から同じことを言われ、3週目にはさらに別の人から。

3回目で「これは何かのサインかな」と感じました。
まるで誰かが「やれ」と言っているような。神様に言われてるのかなと思ったほどです。

偶然の発見から生まれた「カフーツ」

さて、やると決めたものの、どうやって作ったらいいのか分からない。
思いつくまま、ネットで情報を探していました。

そんな時、アメリカでコワーキングをやっているという情報に出会いました。
そのサイトからウィキペディアに飛び、世界中のコワーキングのディレクトリを見つけたんです。

「こんなことをみんなやっていたのか!」

コワーキングの説明を読むと、
それは「仕事をする場所」であると同時に「コミュニティ」でもある。
まさに私が思い描いていた「教えたり教えられたりするコミュニティ」そのものでした。

仲間に説明すると「それだ!それをやって!」と言われ、本格的に始めることにしました。

2010年2月頃から場所を探し、
最終的に私が事務所として使っていたビルの1階が空いていることを知り、オーナーに相談しました。

「コワーキングって面白いね。伊藤さん、それやりなさい」

そうして2010年5月15日、
日本初のコワーキングスペース「カフーツ」が神戸で誕生したのです。

半年間誰も来なかった…そこから学んだこと

開業はしたものの、最初の半年はほとんど誰も来ませんでした。

「このままじゃダメだ、何か別のことをしないと」

気づいたのは、人が集まるには「きっかけ」が必要だということ。
そこでセミナーやイベントを企画し始めました。
「プラスワンセミナー」と名付けて、今の仕事に「プラス」できる内容を、週に1回は必ず開催。
年間60回以上のイベントを実施しました。

あるグラフィックデザイナーの女性に
「なぜ今まで来なかったのですか?」と聞くと、「きっかけがなかった」という答え。
場所を開けているだけでは人は来ないんです。
何かのテーマで「その日ここに来る理由」を作ることが重要だったんです。

参加者が1名だけのイベントもありました。
でも諦めずに続けていくと、徐々に人が集まり始め、コワーキングの意味が理解されるようになりました。

そして今では、2010年に東京と大阪と神戸の3カ所しかなかったコワーキングが、全国各地に広がっています。

不動産業界に引っ張られるコワーキングの誤解

東日本大震災後、東京で「コワーキング」が一気に注目されました。
社員が出社できない状況で、どこでも仕事ができる場所が求められたんです。

しかし、それをビジネスチャンスと見た不動産業界が「場所貸し」としてのコワーキングを広め始めました。
本来のコワーキングの価値である「人の関わり」が忘れられていく方向に。

私は常々、本来のコワーキングの姿を伝えようと努めてきました。
「コワーキングの5大価値」を説き、「コワーキング曼荼羅」の概念を提唱してきたのもそのためです。

地方のコワーキングこそ本質がある

全国のコワーキングを巡る「コワーキングツアー」で140カ所以上を訪れましたが、
特に地方のコワーキングには本質があります。

ローカルの街のコワーキングでは、「コワーキング曼荼羅」の概念が自然と実践されています。
IT業界の人だけでなく、農家のお母さんや漁師が月に一度会計処理のために訪れたり、
その街に合った「よろず相談所」のような存在になっているんです。

これこそが私の目指す「現代版公民館」としてのコワーキング。
地域の人々が交差し、新しい価値が生まれる場所なのです。

これからのビジョン:コワーキングの民主化

長年コワーキングに関わってきて、次のステージとして挑戦しているのが「コワーキングの民主化」です。

コワーキングを「事業」としてではなく「活動」として捉え直す。
場所にこだわらず、「間借りコワーキング」として誰でも気軽に始められる形にしたいんです。

例えるなら草野球のように、プロでなくても誰でも楽しめる活動として。
まずは自分のコミュニティを見える化し、そこから新しいつながりを作っていく。

全国の1718市区町村すべてにコワーキングができ、それらが縦横につながったエコシステムができる。
そんな未来を目指して、これからも歩み続けます。

コワーキングは「箱」ではなく「人」。
場所よりも、そこに集まる人たちとのつながりこそが本質なのです。

あなたも始めてみませんか、本当のコワーキング

「場所」を超えた、人と人のつながりへ

地域の活性化に関わっている皆さん、地方自治体で働く皆さん、
そして「何か新しいことを始めたい」と思っている皆さん。

「コワーキングって、パソコンを持って黙々と作業する場所でしょ?」
「東京の流行りものでうちの地域には関係ないのでは?」
「興味はあるけど、始め方が分からない…」

こんな風に思っていませんか?

実はそれ、本当のコワーキングではないんです。

街の公民館がもっとオープンになったら?

地方の街でコワーキングは、IT企業のためのものではありません。

農家のお母さんが相談に来たり、釣り船の船長が月に一度会計処理をしに来たり…。
その街に合った「よろず相談所」のような存在になっているんです。

街の課題を話し合う場所であり、地元の人と移住者が出会う場所であり、新しいビジネスのアイデアが生まれる場所。

つまり、現代版の「公民館」なんです。
でも、もっとオープンで、もっとフラットで、もっと可能性に満ちた場所。

施設を作る前に、やるべきことがある

「コワーキングスペースを作りたい」と相談を受けることが多いのですが、いつも伝えていることがあります。

「先に箱(施設)を作るのではなく、まず人を集めること」

地方自治体がよくやる失敗は、立派な施設を作ったのに誰も来ない…というパターン。
これは順番が逆なんです。

まずは、共通の関心を持つ人たちのコミュニティを作り、その活動の場としてコワーキングを考える。
そうすれば、開業初日から人が集まる場所になります。

自分のコミュニティを見える化しませんか?

あなたにはすでに、仲間や知り合いのネットワークがあるはずです。
それを「自分コミュニティ」として見える化してみませんか?

特別な施設や設備がなくても大丈夫。
週に一度、カフェの一角を借りるところから始められます。
それが「間借りコワーキング」です。

例えば、毎週木曜日の午後、地元のカフェの一角に集まって、それぞれの仕事をしながら時々会話を交わす。
そんな小さな一歩から始められるんです。

大切なのは「箱」ではなく「人」。
まずは自分の周りの人たちと一緒に始めてみてください。

具体的な一歩を踏み出すために

「でも、どう始めればいいのか分からない…」

そんな方には、具体的な方法をお伝えします。

  1. カフーツに来てみませんか?
    神戸のカフーツに来て、実際に体験してみてください。
    どんなふうに人がつながり、どんな会話が生まれるのか。百聞は一見にしかず、です。
  2. あなたの街でコワーキングの実験をしましょう
    週に1回でも、月に1回でも。自分コミュニティを集めて、小さなコワーキングの実験をしてみましょう。
    カフーツを使っていただいても構いません。
    その際、名前もカフーツでなくてご自分のコミュニティの名前でOKです
  3. noteメンバーシップに参加する
    本格的にコワーキングを学びたい方は、私のnoteメンバーシップ
    https://note.com/kanzan10to9/membership/joinにご参加ください。
    コワーキングの5大価値やコワーキング曼荼羅の実践方法など、
    コワーキングに関する深い知見や最新情報を定期的に発信しています。
  4. 個別相談を利用する
    地域特有の課題や状況に合わせた具体的なアドバイスが必要な場合は、
    個別相談(初回無料)をご利用ください。
    オンラインで全国どこからでもご相談いただけます。

未来をつくる仲間になりませんか?

私の夢は、全国すべての市町村にコワーキングができ、それらがつながり合うエコシステムを作ること。

でも、それは私一人でできることではありません。
あなたのような、地域に根ざした活動をしている人たちと一緒に創っていきたいんです。

コワーキングを通じて、人と人がつながり、教え合い、学び合う。
そんな場から生まれる小さなコラボレーションが、やがて地域を、そして日本を変えていく。

その未来をつくる仲間に、あなたもなりませんか?

この記事を書いた人

ikechan

ストーリーで紡ぐファンコミュニティ構築の専門家
あなたのビジョン、お客様の声、そしてチャレンジを心揺さぶるストーリーへと昇華させ、リピーターとファンを増やすエキスパート。AI×スマホを駆使した革新的な情報発信で、ビジネスの魅力を最大限に引き出します。
あなたのビジネスを応援してくれるファンコミュニティの構築を目指す方、ぜひご相談ください。共に、感動と成功のストーリーを紡ぎ、持続可能な成長を実現しましょう。

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